古い物を「捨てゆく街・鹿児島」と「活かす街・プラハ」

鹿児島を代表する美しい洋風ビルの取り壊しが決定。
壊して棄てるしか脳がないなんて、どこまで遅れてるんだ鹿児島県(偉い人もあなたもわたしも)
鹿児島に現存する最古のコンクリート建造物である鹿児島銀行本店別館(有形文化財) ↓下の写真
理由は老朽化との事ですが、良質なコンクリートが使われており耐震性も抜群。
先人達の知恵と技術が詰まっており、細部まで美しい。どこにもヒビなど見られない。
中を改装・補強すれば、あと何百年でも残せるはず。
建築様式は違えど、上の写真の、チェコ・モラビアギャラリーとも少し似ていると思いませんか?
鹿児島銀行取り壊し

↑ぐるぐるしてみてね
古い洋館を活かしたギャラリーで、内部はとてもモダンで現代的な空間でした。
鹿児島にだってこんな素敵なギャラリーが生まれていた可能性はあったのですね(なくなったけど)
近年、日本でもヨーロッパに習って古き良きものを活かした建築や
街づくりの流れが出来ているにも関わらず、木っ端微塵に破壊して廃棄。
その跡に無機質な灰色のビルをドーンと建てる計画だそうです。
鹿児島の歴史的建造物が取り壊される度に、チェコの街並みを思い出します。
鹿児島銀行取り壊し1
首都プラハは1000年以上の歴史を持つ世界遺産の街。11世紀から18世紀にかけての
さまざまな時代様式の建築物が残っています。戦争で街ごと焼け落ちても市民が
根気強く元の状態に復元してきた事が世界遺産へと繋がったと言われています。
プラハの通り
↑美味しいパンや珈琲を楽しめる素敵な通りがほしかった(ポチャ男)
チェコで1ヶ月も暮らした私達は、鹿児島に帰った際に愕然としました。
コンビニチェーンと統一感の無い無骨なビルが乱立する風景を見て
毎朝、窓を開ける度にガッカリしなければならないのです。
プラハ 世界遺産の風景
それから間もなく、海沿いの風情ある石蔵が1つ、また1つと取り壊されていく度に
危機感を覚えながら、何も出来ない自分達の無力さに怒りを覚えました。
サグラダ・ファミリア 
そんな中でも、鹿児島銀行本店別館の前を通ると少しホッとしたものです。
スペインのサグラダ・ファミリアにも負けない、優雅なデザインの彫刻がエンブレムや
柱に施され、シンプルでありながらも堂々とした佇まいに胸が踊りました。
サグラダ・ファミリアとさこ
ヨーロッパに引けを取らない物、郷土ならではの物を1つでも多く残したい、活かしていきたい。
その想いをきちんと伝えていく事が、これからのクリエイターとしての役目。
「100年先に残しておきたくなる物を作ろう」
プラハを旅してから、それがペケペケの合言葉になっています。
郷土愛にあふれているデザイン事務所ではまったくない!けど、
ペケペケの様に、故郷に誇りを持てない若者が増え続けるのを食い止めなければ
この街に未来はない。
サグラダ・ファミリア地下
余談ですが、サグラダ・ファミリア地下、ガウディのデッサンや模型が展示されているスペース
私達のアトリエがあるビルのギャラリーレトロフトMuseoとそっくりなのです。
そういえば普段レトロフトへ我が物顔で見学へ訪れては「リノベリノベ・・・」
とうわ言のように繰り返す人々や、
呪文のように「まちづくり!マチヅクリ!」と唱える人たちはいったいどこへいったの。
 

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